●油絵、人物《新宿ゴールデン街流し、マレンコフの像》◆小林寿永作、10号F。
◆◆東京新宿歌舞伎町の外れに、通称《新宿ゴールデン街》と呼ばれる一隅がある。僕が毎日のように足を運び、朝方まで遊び歩いたのは今から20年以上も前のことであった。現在も繁栄を極めているそうであるが、親しくして貰った、馴染みの店は殆ど、代替わりしているようで20年以上行ってない。
此処の街に一歩足を入れると、個性の強い人々に出会った。浴衣姿で下駄履きの漫画家、1年中半ズボンの作家,Gパン姿の俳優さんなど、・・・・・今回出品の《流し、マレンコフの像》は、そんな仲間の中でも特に印象の強い一人で、モテイフの対照となった。既に、ギターを抱えて、「一曲如何ですか?」と声掛けする「流し」の姿がもう見られなくなっていた。どうして「マレンコフ」かは、聞いたことが無い。アコーデイオンは重いこともあってか、歩く店は決まっていて、専用の分厚い歌詞カード本が2~3冊置かれていて、客に唄わせていた。
このタイプの「流し」は他にもいたが「マレンコフ」の才能は、「歌詞カード本」のぺージと曲を全冊頭に入れていて、即座に要求に応じられることであった。『ハイ、それは第二冊目、152ページ、上から3番目です』20年以上も前の、彼の声は今でも耳に残っている。元気にしていることを願っている。◆◆

